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原作:帚木蓬生 (ははきぎほうせい)

1947年、福岡県生まれ。東京大学仏文科卒業後、TBSに勤務。2年で退職し、九州大学医学部に学び、今現在まで精神科医として務める。1993年『三たびの海峡』で吉川英治文学新人賞、1995年『閉鎖病棟』で山本周五郎賞、1997年『逃亡』で柴田錬三郎賞、2010年『水神』で新田次郎文学賞、2011年『ソルハ』で小学館児童出版文化賞、2012年『蠅の帝国』『蛍の航跡』の2部作で日本医療小説大賞、2013年『日御子』で歴史時代作家クラブ賞作品賞をそれぞれ受賞。近作は2017年『守教』。その他、『国銅』『風花病棟』『天に星 地に花』『受難』などの小説のほか、新書、選書、児童書などにも多くの著作がある。

comment
『閉鎖病棟』は、私にとっても思い出深い作品です。最後の法廷の場面は書きながら涙が出ました。小説ではチュウさんが主人公ですが、映画の主人公は秀丸さん。着眼点がいいなと思いました。完成作を観て、登場人物たちを見事に描き切っていると感心しました。役者さんたちも患者さんの心をよく摑んで演じておられますね。由紀以外のキャラクターには全員モデルがいます。モデルとなったかつての患者たちには亡くなった方も多いですが、彼らも天国で喜んでいると思います。小説は当初『休鳥たちの杜』というタイトルでした。精神科病棟には長期入院の患者がいますが、終の棲家ではないこと、いずれはここから飛び立っていくのだということを訴えたかったのです。
『閉鎖病棟』帚木蓬生/著
新潮文庫刊 発売中
定価670円(税別) 
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